京都比良山岳会
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活動記録 > 2005年
[No.2712] 飯豊連峰:飯豊山


【日程】2005年7月15日(金)〜18日(月)
【参加者】3名
【天候】7月15日 京都は晴れ 7月16日 曇り 7月17日 曇り 7月18日 曇り
【コースタイム】
7月15日 20:30 名神高速深草発(20:00頃伊丹市発)23:45 有磯SA 
7月16日 3:00道の駅 関川村着 6:00道の駅出発 6:45登山口(旅館飯豊山荘)着 7:30登山口出発 7:50温見平 8:00堰堤 9:40梶川徒渉 10:30石転び沢出合 12:25ほん石転び沢 13:20北股沢の出合 15:00梅花皮小屋(テント泊)
7月17日 4:05梅花皮小屋出発 4:30梅花皮岳 4:50烏帽子岳 5:10カブト池 5:20亮平の池 5:45御手洗の池 6:15天狗の庭 7:10御西岳 7:40玄山道分岐 8:05駒形山 8:20飯豊山 8:40駒形山 8:50玄山道分岐 9:20御西岳 10:10天狗の庭 10:45御手洗の池 12:00烏帽子岳 12:20梅花皮岳 12:35梅花皮小屋 13:20(下山準備の後)梅花皮小屋出発 15:30石転び沢出合(30分休憩後出発) 18:15堰堤 19:00登山口
7月18日 8:00飯豊山荘出発 19:00京都着

【記録】48期 J.I.
 東北の山は行きにくく、未踏の山域が多くある。それは交通の利便性と夏山シーズンの短さからなのだが、入会したばかりで東北の山に行けるチャンス到来。早速申し込んでみたものの、参加者3名という少なさ。マイカーで現地入りする強行例会に皆尻ごみした模様である。出発当日を迎え、自らの体調の悪さに参加の意思表明を多少悔やんだが、何とかなるさと集合場所に出かける。名神高速の深草バスターミナルで拾ってもらい、車は北陸道を西へ西へ向かう。夜の北陸道はSさんの読みどおり大変すいていて、快速走行が続く。車が滋賀、福井、石川を越え、富山あたりに来た頃には、吐き気を伴う気分の悪さも軽減し、新潟への到着が待ち遠しかった。そんなこんなの、強行片道750kmドライブも午前2時過ぎには終盤を迎え、仮眠場所は関川村道の駅に決定。外で小雨がそぼ降っていたので、テントは張らずに3時頃から2時間ほど仮眠する。
 午前6時登山口に向け、道の駅を出発する。雨は降っていないけれども、お天気はあまり良くないようだ。それでも、飯豊山荘の登山口は入山準備をしている人でそれなりに賑わっている。地元のボランティア(?)らしき男性が入山者に対し、コースの危険度を案内してくれていた。始めの30分程度は平坦な林道歩き。そのあと、そのあとは鬱蒼とした樹林帯をひたすら歩く。梶川を渡渉して、しばらくすると大本命の石転び沢の出合に到着した。そこにはハンパではない雪渓が広がっていた。とにかく大きかった。曇っているせいもあるが、大きすぎて、雪渓はどのあたりが終点なのか全く見えない。雪渓はクレバスと落石に注意と聞いていたが、Sさんの的確なナビとKさんのナイス・フォローで、無事高度をかせいでいく。曇っていて、しかも雪渓の上というのに、生暖かい風がどこからか吹いてくる。そして、はじめは緩やかだった傾斜も上がるにつれて険しくなっていく(苦しかった)。極めつけは、最後のトラバース。後から地図で確認すると、「斜度45度の事故多発地。トラバースの途中で滑落する人が多く、注意」と記載されていたが、ここでのその時の自分は涙目だったと思う。Sさんは難なくさっさと草付きの広場に取り付いてしまい、躊躇する私が気付いた時にはガスで前が見えず、どこにいるのやらという、まさに雲隠れ状態。少し足を進めてみたものの、控えめな6本爪アイゼンでは無力な感じ(す・滑る!今までは6本爪で大丈夫だったが、ここは絶対12本爪アイゼンが必要だ!)。へっぴり腰の私を見て、Kさんは斜め後ろから心配そうについてきてくれる。そのうち、雲の向こうに隠れていたSさんも姿を現し、「ここで落ちても、どこかで止まる。絶対死なない。(ホンマか?)」と励まされ、何とかかんとか草付きの広場に着陸する。とにかく本当に怖かった。最後まで気の抜けない雪渓登りで無事本日のお宿、梅花皮(「かいらぎ」と読む)小屋のテント場に着いた。その晩、テントの中で、翌日以降の行程を練り直し、あと2日に分けて行くべきだったコースを翌日の1日でこなし、翌々日は朝からゆっくりと登山口から帰京することとなった。
 前日の予定変更により17日は午前2時起床。3時半出発予定だったが、真っ暗で視界1メートルの朝だったため、しばしテントの中で待つ。そして、飯豊本山へ出発。大量の残雪と高山植物にはコース上でそこここに見かけるが、烏帽子岳山頂に立っても大パノラマは望めない。おまけに、途中の残雪は硬くひきしまっていて、歩きにくい。前日のトラバース・ショックほどではないが、またも滑落するのではとびくびくものだった。御西岳から天狗の庭、そして飯豊本山にかけては、大好きな湿原エリアで、幸せなひと時である。約4時間後にピーク到着。ここで同じ道を下って、梅花皮小屋に向かう。途中の残雪が後から登ってきた登山者により少し解けて踏み固められ、大変歩きやすくなっていた。
 梅花皮小屋で小休憩の後、再び石転び沢を下りる。前日通った恐怖のトラバースをなぞりたくはなかったが、梶川尾根コースよりも断然早く下山できると勧められて(だまされて?)Sさんの10本爪アイゼンと交換し、下りることとなった。何とか核心のトラバースを無事通過したけれども、まだまだ雪渓は続く。休憩したい衝動をおさえながら、2時間無我夢中で足を進める。雪渓下部ではスノーブリッジとなっている所が散見された。Sさんから「ここは落ちたら死ぬよ」と言われ、大回りで危険地帯を避ける。雪渓は日や時間によって口を開ける場所が違うのだということを知る。
 石転び沢の出合に着いて一安心。アイゼンを外して長めの休憩を取る。この時、雪渓下りで足は棒のように固く、重くなっていることに気付いた。後の樹林帯歩きは疲れた足を引きずるようにして、だましだまし歩いたような感じだ。
 その日の宿は旅館飯豊山荘で、登山客は素泊まり1泊1500円だった。遅く着いたのに、宿の人は大変親切にしてくれるし、温泉もついているという、大変ありがたい宿だった。翌日8時には宿を出発し、夕方明るいうちに無事京都に帰り着くことができた。(これもひとえにSさん、Kさんのおかげで


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