京都比良山岳会
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活動記録 > 2006年
[No.2778] 夏山合宿:花の白山


【日程】2006年8月4日(金夜)〜6日(日)
【参加者】4名
【天候】快晴

【記録】36期 Y.T.
8/4(金)集合23:00 京都駅
8/5(土)急行「きたぐに」0:02 金沢3:10−5:30 別当出合7:40−8:00 中飯場8:50−9:00 別当覗9:40−9:55 甚ノ助非難小屋10:40−10:55 分岐11:20−11:30  南竜ヶ馬場12:20−13:05 アルプス展望台13:55−14:05 室堂15:00 御前峰15:40−16:05 室堂17:15−17:30 南竜ヶ馬場18:40

久しぶりの夜行急行での山行。ほぼ満員だったが、敦賀までには皆座れた。登山客は少なかった。金沢駅で仮眠。駅の構内で銀ペフを敷いて仮眠するのは何年ぶりだろう。構内放送を聴きつつ、それでもそこそこ眠れた。別当出合までの直通バスに乗ったのは20〜30人、白峰でトイレ休憩があった。市ノ瀬はマイカーで混雑していた。
別当出合は多くの登山者で賑っていた。中学生?の集団登山も盛んなようだ。団体も多い。水だけ補給して、砂防新道を登る。中飯場には綺麗なトイレが設置されていた。登り口の水場が移動していたのは残念。別当覗からは観光新道の崩壊地、大きな一枚岩、別当谷の砂防ダムが見渡せる。砂防工事がいたる所で行われている。崩壊と砂防工事が延々と繰り返されている。

花に会うたびに質問や解説などで立ち止まる。追い越していく人達も多くは花好きのようだ。何度聞いても3歩歩くと忘れてしまう。メモし写真に取り図鑑で調べる必要がありそうだ。それにしても皆さん花に詳しい。何処の山で何時咲くか、見分け方から・・・・。

甚ノ助非難小屋で水を補給。快晴ですごく暑い。水が豊富なのは助かる。真っ青な空をバックに、チブリ尾根の避難小屋の赤い屋根が見える。分岐に着く。別山方面の展望が素晴らしい。油坂のジグザグの登りがきつそうだ。予定では室堂、御前峰経由で南竜ヶ馬場に向かう予定だったが、テントを張ってから御前峰に向かうことになった。クロユリに会った。入会した年の夏合宿で弓折岳からの稜線で見て以来なので、一人こっそりと感動した。お花畑があちこちに現れ、花好きの3人はしきりに感動していた。雪渓が所々に残っていた。
テント場は半分近く詰まっていて、宴会を始めている組もあった。我々はすごい暑さの中、テントを設営して、ビールの誘惑を絶って展望歩道に向かう。
展望歩道は尾根に出ると御嶽と乗鞍が木々の間から見え出した。アルプス展望台からは南アから穂高、槍、白馬が見えるはずだったが、夏雲で確認できなかった。ここのお花畑も素晴らしかった。室堂への途中にもお花畑が散在し、小屋泊まりの登山者が写真を撮っていた。夏雲が西に現れたが、幸いこちらには来ず雨の心配は遠のいた。
御前峰では360度の展望を楽しんだ。南に取立、赤兎、別山、その奥に荒島が見えるのだが、きっちりと確認するだけの気力が残っていなかった。ここからは池巡りコース。油ヶ池、紺屋ヶ池に下り翠ヶ池、血ノ池を経て小雪渓を渡り室道に向かう。途中では小鳥が先導してくれた。
室堂はかなり混んでいるようだ。外で食事をしているグループもいて、賑っていた。下山はトンビ岩コース。万才谷雪渓を渡り、展望の利かない樹林帯を抜け谷筋を下るようになると、南竜の小屋やテント場が見える。雪渓の下を渡る時、冷やされた空気が流れていて気持ちよかった。
テント場はさらに詰まっていて多くは外で夕食中。我々も外で準備を始めた。今夜のメニューはクリームシチュー、きゅうりの塩こぶもみなど。無洗米を不織布の袋で炊くのは初めてだ。Y田さん工夫を凝らした食事をありがとう。ここでようやく乾杯。結構長い一日だった。
担当が「気象」だったので、1日から天気図をとったが、雨の心配は無かった。現地でも快晴、雷の気配もなしでよかった。
すばらしい快晴と3ヶ月の花が一斉に咲いたようなお花畑。チングルマの花と羽状の花柱を同時に見たのは勿論初めて。足や腰に不安を抱えている中高年に付き合ってくれたCLのT田さん、食当のY田さんに本当に感謝。電車、バスの山行もゆっくりして楽しい。交通費を安く上げる工夫をして、また取り組みたいものです。

2日目
【天候】晴れ
【参加者】前日と同様
【コースタイム】*メンバーの体調によりコース変更
南竜ヶ馬場出発7:38 南竜道経由 休憩8:40〜8:50 黒ボコ岩到着9:30
黒ボコ岩周辺花畑散策9:30〜10:05 黒ボコ岩出発10:05 観光新道経由
殿ヶ池避難小屋休憩11:16〜11:28 休憩12:35〜12:40 別当出会着13:55
【記録】48期 T.Y.
昨日と同様、快晴で今日はどんな花が見られるのか期待しながら出発。初めてのテント泊で寝られるか心配だったが、思いのほか爆睡ができて、気分よく歩き出す。南竜道を歩き出すと、早くもユキザサ、トリカブト、タカネナデシコ等の花に出会い、付近の山肌はシナノキンバイの群植で所々黄色い。道の途中でエコーライン付近を見上げると、ニッコウキスゲの群落を発見。やがて南竜道の分岐にさしかかり、そこから登りにさしかかる。黒ボコ岩に到着して、そこへザックを置き、身軽になって室堂に向う道すがらの花畑散策に出かける。そこには、ハクサンフウロ、シモツケソウ等の花が咲いていて、私が見たかったクロユリも他の花の間に咲いている。クロユリはにおぐと不思議な匂いがしたが、想像以上に小さくてかわいらしい花であった。N彦さんの話しによると、今年は雪が多かったせいで、7月初旬の花と初秋の花が一緒に咲いているのが、見られるとのこと。再び黒ボコ岩に戻りザックを担いで、観光新道を歩き出す。途中シナノキンバイやミヤマキンポウゲ等の黄色い花の群植に見とれていると、登って来た登山者に「ここより下は数10倍きれいですよ。」と教えてもらった。それではと、期待して下っていくと、まさにそこはお花畑。別天地と言うにふさわしい世界でした。ハクサンフウロ、シモツケ、クガイソウ、ハクサンシャジン、タカネマツムシソウ、カライトソウ、イブキトラノオ等の花々が咲き乱れ、去りがたい気持ちにかられる。やがて花は徐々に少なくなり、殿ヶ池避難小屋に到着。そこで休憩をした後、再び歩き出す。殿ヶ池からは、道がかなり荒れていて、花も少なくなった。尾根道がつづき、やがて樹木の間から吊橋が見えようやく別当出会に到着。

今回初めてテント泊での山行に参加させていただきましたが、とても楽しかったです。T田さんやN彦さんには、花の名前をたくさん教わり、T野さんには読図を教わり、お世話になりっぱなしでしたが、おかげで念願の花畑を堪能できました。本当にありがとうございました。

【白山の花たちに巡り会って】44期 N.Y.
 今回は腰を痛めて、行こうか行くまいか、いやそんなどころか、行けなくなるのでは?
そんな心配をしながら当日を迎えたのでした。もっともコルセットを巻いて、痛み止めを満載しての京都駅。
 今回は絶対に車で行かず、昔懐かしい列車でいくのだー!!と主張したロートルたちの面倒をやさしくみてくれる青年のT田さんがリーダー。私よりはるかに若く見える同い年のT野さん、そしてなぜかヤングレディのY田さん。
 京都駅24:04発の急行「きたぐに」。以前に白馬や信越の山に行った時に乗ったあの「きたぐに」です。金沢に着いたのが3:00過ぎ。エスカレータの前で雑魚寝。そして、5:50発のバスに乗り込みました。
 別当出合まで直行です。7:50頃に到着。8:10頃にいよいよわれわれの「花の白山」例会が始まったのでした。いきなりオオウバユリの歓迎。そして甚之助小屋。南竜ヶ馬場への別れ。今回は直接、南竜ヶ馬場へ向かい、先にテントを張ってしまうことに。  やっとここまで抱えた地雷!?も爆発せずに、テン場に到着。コルセットと痛み止めが効いたみたい。
 「薬草の秘密をばらした弟を兄が切った」というイワオトギリ。「ツリガネニンジン」の特有種のハクサンシャジン。
 満開のハクサンコザクラ。わたしはこれを、いや、残っていれば幸い!と思ってきた白山。それがどうです!!お目当てのハクサンコザクラはもちろんのこと、早春から晩夏まですべての花がそろい踏み。今年は雪が春先にたくさん降って、そのために花期はだだ遅れ。そのためか花たちは咲き急いでいるようです。そのせいかハクサンフウロは花びらがちじんでかわいそう。
 でもY田さんが「かわいい!わたし好きな花になりそう!」って言ってくれて思わず「分かってくれてありがとう!!いやいや何を隠そう、私の愛する花の一つはなぜか伊吹山に咲くふくよかなハクサンフウロ・・・。」  シナノキンバイ・クロユリ・クルマユリ・カライトソウ・イブキトラノオ・クガイソウ・キバナノコバノツメという長い名前のスミレ・ミヤマダイコンソウ・・・・Y田さんが書き留めてくれたノートに約90種あまりが確認できたのでした。
 T田リーダーは「本当に山が好きな男、かつ、花の好きな優しい男」そして「山の自然を守り、ルールを厳守するリーダー」でありました。今回の合宿のリードは「おみごと!」であります。その後に、花にはまろうとしているY田さん。ロートルながら歩くことこそ人生なり!とがんばっている中高年2人組。そんな取り合わせをなんと見事なチームに変身させたリーダー。隊列のマナーまでを統一した今回のリーダーのあり方に私は実は大いに感動を覚えていました。山もただ登ればいい!ではなく、そこにリーダーの「美学」が実存?していなくてはならないのです!その面でも学ぶことの多い合宿でした。
 今回は、下山後の「カンパーイ!!!」が最終の目標でした!!が、その乾杯をしていると、旅館の浴衣を着た客らしきおじさんが「写真とらせてもらっていいですか?」「ん・・・!」かくてわれわれはそのおじさんの写真の主人公として収まったのでありました!たぶん、そのタイトルは「白山・不動谷の工事現場にて」ではなく「白山の花を愛する男たち」だったらいいな!と思ったのでした。
 「T田さん、来年は尾瀬やで!」「うん、燧ヶ岳のぼろう!」「いや、苗場やで」「いや、とにかく花のあるとこ行こ!!」の大合唱で、金沢で特急「サンダーバード」に乗り込んだ今や4人の花兄弟姉妹?たちであったのでした!(花親子では断じてありません!)
 正直、私は初めて6−8月に咲く花を一度に見ました。参加メンバーの皆さん、ありがとうございました。
今度は花仲間とともにまた「いいとこ」行きましょう!

【花の白山山行を終えて】40期 Y.T.
合宿のリーダーということで、これまでになく力の入った山行でしたが、皆さんに助けていただきながら、白山の夢のようなお花畑を満喫することができました。
今回はY田さんが本格的なテント山行がはじめてということで、テントでの過し方がひとつの課題となりました。スピーディーな食事の準備、山を汚さない後片付けの方法、荷物の整理の仕方、就寝及び起床時間等々。私も偉そうなことは言えませんが、Y田さんは睡眠も充分にとれたとのことで、的確にこなされていたと思います。
 反省点としては、5日の行動時間が、休憩も含めてですが10時間以上かかってしまい、メンバーの体調を考慮して翌日の下山コースを当初予定の別山〜チブリ尾根コースから変更してしまったことです。まあそのお陰で白山の大お花畑に巡りあうことができましたが・・・。また体力的なことだけでなく、夏山は特に落雷等の危険性も踏まえて、本来は早めに行動を切り上げるべきだと思います。今回は快晴ということもあり、後悔のないように思いっきり歩きましたが、今後は注意が必要だと思います。
白山の例会から帰ってきて、体調がこれまでになくすぐれた日が続いていました。それくらい今回の山行は素晴らしいものでした。メンバーの皆さんに本当に感謝します。今回のメンバーで、もう既に来年の夏山山行の話しがはじまりました。皆さん今度はどこに行きましょうか!

白山で出会った植物たち
アオノツガザクラタテヤマリンドウ
アカソタマガワホトトギス
アカネチングルマ
アカモノ(イワハゼ)ツバメオモト
イブキトラノオツルリンドウ
イワイチョウトリアシショウマ
イワオウギニッコウキスゲ
イワオトギリorシナノオトギリニリンソウ
イワギキョウノウゴイチゴ
イワツメクサノビネ
ウワバミソウハクサンオミナエシ(コキンレイカ)
エゾシオガマハクサンコザクラ
エンレイソウハクサンシャクナゲ
オオウバユリハクサンシャジン
オオヒョウタンボクハクサンチドリ
オタカラコウハクサンフウロ
ガクアジサイヒメシャジン(orソバナ)
カニコウモリホタルブクロ
カライトソウマイヅルソウ
カラマツソウorミヤマカラマツマンサク
カンチコウゾリナミソガワソウ
キヌガサソウミツバノバイカオウレン(コシジオウレン)
キバナノコマノツメミヤマアカバナ
キンポウゲミヤマアキノキリンソウ
クガイソウミヤマオトギリソウ(orイワオトギリ)
クルマユリミヤマカラマツ(orカラマツソウ)
クロユリミヤマキンバイ
コイワカガミミヤマキンンポウゲ
コゴメグサミヤマシシウド
ゴゼンタチバナオオハナウド
コバイケイソウミヤマダイコンソウ
コメツツジミヤマダイモンジソウ
サラシナショウマミヤマタンポポ
サンカヨウミヤマホツツジ
シナノキンバイメタカラコウ
シモツケヤグルマソウ
シモツケソウヤマハハコ
ショウジョウバカマユキザサ
センジュガンピヨツバシオガマ
タカネナデシコヨツバヒヨドリ
タカネマツムシソウリュウキンカ
タテヤマウツボグサレイジンソウ
※植物名は帰ってからメンバーで調べたものです。もしかしたら誤りもあるかと思いますが、ご容赦願います。

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