京都比良山岳会
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活動記録 > 2007年
[No.2864] 関西百名山シリーズNo.1 白髪岳と篭の坊温泉


【日程】2007年1月19日(土)
【参加者】計11名
【行程】
京都・洛西竹林公園7:48=住山9:02-11〜銀鉱堀跡登山口9:41-48〜林道10:00〜白髪岳11:15-48〜松尾山12:50-13:06〜卵塔13:26-33〜高仙寺本坊跡13:40-46〜住山14:39-43=篭ノ坊温泉15:25-16:24=京都18:00
【歩行データ】歩行8.2q 5:28 延登高 843m 延下降 843m 2座登頂

【記録】48期 H.Y.
京都比良山岳会創立50周年を機に関西百名山シリーズを立ち上げた。まず第1弾として丹波篠山の白髪岳に行った。天候に恵まれ、予期せぬ霧氷が見られ最高の山行だった。
京都市内各所で参加者をピックアップし洛西竹林公園で最終集合しT車、A車、Y車の3台が揃った。京都縦貫道から国道372号線を走ると丹波篠山は近い。1時間余りで篠山市住山に到着。白髪岳と松尾山の登山口への分岐点にある民家が1,000円の有料駐車場をやっているが、車の回収を考えて少し手前の天神川の河原に駐車した。
Kリーダーを先頭に暫くは林道を歩く。人里を過ぎヘアピンカーブで高度を上げると谷間が迫って来て銀鉱堀跡登山口に達する。東屋があり一寸した広場になっているので車の駐車も可能だ。登山準備を整え左手の谷間に続く沢沿い登山道に入る。銀鉱穴跡に続く踏み跡が下の谷間に続く。明治8年から3年間銀の採堀をしていたそうだ。
「←白髪岳、親水池→」の分岐点で右にルートを取り、池を見に行こうとしたが先程の林道上部に出てしまったので諦めて引き返し、改めて白髪岳を目指した。山頂域には一寸した岩場がある。渋滞しながら稜線に出たところで先頭から驚嘆の声が上った。何だと思ったら霧氷が付いて白くなった木々の美しさへのものだった。標高722m程度の山で誰が霧氷を期待していただろう。実に素晴らしい。
山頂へは岩の尾根を攀じ登り詰める。真新しい点標の2等三角点はどっしり大地に根を生やしているが山頂標識が抜け落ちていた。山頂からの眺めは素晴らしく多紀アルプス、三嶽、弥十郎ヶ岳が篠山市街の向うに望むことができる。北斜面の霧氷は増々発達し美しい。先客が一人、地元の人らしく周りの山の名を掌を指すように語ってくれた。彼によるとこんな素晴らしい日にはそうそう遇えないと言う。風もなく穏やかな山頂は昼食休憩を取っても寒くない。
昼食後は北斜面を下る。霧氷と共に北側は雪が1センチほど積もり、踏み固まってツルツルだ。急斜面でずっとロープが立ち木に繋がり、これを辿ればアイゼンを付けなくても問題なく下りられる。689mピークは一瞬松尾山かと思ったが、そう甘くはなく右に弧を描くように稜線を進む。だんだん白髪岳の姿が右手に見えるようになってきた。文保寺に下りる分岐を左に二本ほど見送り登り詰めると松尾山(687m)に達する。
山頂は北西方向が樹間に開け、篠山市街と多紀アルプスを望むことができる。別名高仙寺山とも言い、戦国時代、酒井氏治が築いた城跡だが当時の砦的な山城であり遺跡は何も見当たらず朽ちた案内板だけが歴史を伝えている。この城も天正6年(1578)5月織田信長の丹波攻に敗れ落城、麓一帯に25坊を要した天台宗の高仙寺も焼亡してしまった。のちに再興されたが、廃仏毀釈の勢いにより衰退、大正十年JR宝塚線南八代駅の南側に移転し現在に至っている。
当初予定では先ほどの分岐に戻り篠山市味間新に下りJRで登山口に戻る予定だったが抵抗勢力のソフトで強力な抵抗に遭いあっけなく予定変更しこのまま住山へ下ることになった。
南の尾根に付く下山路を600mほど下ると登山道が180度曲がり尾根道からトラバース道に変る地点に卵形の塔が40数基、"卵塔"といわれている。これは高仙寺の僧侶の墓が所狭しと並んだもので大小あるのは、徳の高さか、時の経済力の差なのだろうか。
北東方向に進むと高仙寺の遺跡、愛宕堂跡や本坊跡が現れ、鎌倉時代の栄華を偲ぶことができる。本坊跡辺りから発する沢の途中に不動の滝があり目指していたが降口を通り過ぎ巻き道で下山してしまった。松尾山登山口は丹波茶の畑がありその向うに西寺山(646m)が控えている。車道を歩き住山の駐車地点に戻った。
登山後は三田市にある篭ノ坊温泉渓山荘に立ち寄る。泉質は「含炭酸塩類泉」で昭和41年まで三ツ矢サイダーの炭酸に利用されていたそうだ。(入浴料800円、露天風呂あり)
《山紀行630》


【感想】25期 T.S.
私は、大学卒業後、レジの会社に入社して、福知山市に配属されました。そして丹波・但馬の広い地域を担当し、各地のスーパーや商店に営業で回ってました。白髪岳のある丹南・篠山も週一で訪れていました。けれどもこ全く知りませんでした。今回登ってみて、行程は短いけれど良い山でした。霧氷が青空に映えて大変きれいでした。
白髪岳の東に位置する松尾山は高仙寺山とも言われ大化元年(645年)法道仙人によって開かれ25坊を擁した高仙寺があったところで石仏や卵塔群(丸い墓石で僧侶の戒名がかすかによめました。)が残っていました。また戦国じだいには、地元の豪族の酒井氏治の居城で明智光秀によって、落城したそうです。このように、歴史的にも大変興味深い所です。

【感想】36期 Y.T.
なかなか登る機会のない白髪山、と言うより最初は何所にあるのかも知りませんでした。今回新しく企画された関西百名山シリーズに参加して登ることができました。山は里山らしく多くの枝道があり、子供のためかよく整備されていました。盛夏以外はいつでも登れるようです。
今回も読図の練習をしました。卵塔墓石群までは良かったのですが、阿弥陀堂跡付近から分らなくなってしまいました。ここから沢沿いに下るのですが地図上で特定できませんでした。見通せない所で地形を読む練習をこれからもやってみたいと思います。
関西百名山シリーズNo.2は高見山、楽しみです。

【感想】42期 M.S.
ツアーコンダクターのY本さんに「弱足でもOKですか?」の問い合わせに、「弱足・弱腰・弱手なんでもOK」の返事をいただき、弱足グループ会員のM崎さんを誘って参加しました。
レポーターS方M子の報告です。
S方:「みちこさん参加されての感想は?」
M崎:「3時間ほど歩いて温泉ありと聞いて参加したのですが、やはり比良さんの山行きはレベルが違い、たいへんでした。
えんやこらとしんどい直登あり、滑りやすい気が抜けない雪道あり、岩登りありとバラエティに富んだコースで退屈はしませんでした。
白髪山の頂上からの360度の景色もすばらしいかったですし、松尾山でも樹氷が美しかったので、来た甲斐がありました。お天気もよく最高の山行きになりました。おまけに車の駐車した場所に戻る短いコースに変更になり、温泉に早く行けました。」
S方:「温泉までの道のりは遠くどこまで行くのかいな?また山登って行くのかといぶかっておりましたが、いかがでした?」
M崎:「ほんと、なまじっかな場所にいるよりは山の中がいいと言う話を小耳に挟んでおりましたので、どんな場所かと思っておりましたら、いい温泉でした。露天風呂もありで疲れも吹っ飛び、美人になりました。」
S方:「次回の計画に参加されますか?」
M崎:「ぜひとも、お願いしたいです。リーダー始め、お世話していただいたY本さんや参加されたメンバーも皆さんいい方々で、何かと世話をしていただきました。次回も参加できたらと思っておりますが、何しろ弱足グループ会員なので、その点をお忘れなくよろしくお願いいたします。」
弱足グループ会長 S方M子のレポートです。
因みに弱足グループ会員はS方・M崎・2名だけです。

【感想】44期 N.Y.
たのしい、ワイワイガヤガヤの久しぶりのメンバーとも顔を合わせて、楽しい山行になりました。
なぜ白髪岳というのかな?と思って調べると、白髪岳の南面に見える山頂部分のあちこちに白い岩稜が露出したその姿が白髪混じりの頭に見えることが山名の由来になったというのですが、そう見えたかな?また一説では、では、白髪岳の「白(haku)」が銅鉱石を表す「璞(haku)」から来ている(慶佐次盛一「兵庫丹波の山(下)」)というのです。でも、たしかあそこの採掘跡はメンバーの誰かが銀の採掘と言っていたし、この説はどうなのでしょうか?とにかく、頂上付近の白い岩石は、流紋岩の岩脈だということは確かなようです。確かに上の岩は白っぽかったですね。
流紋岩とは?「流紋岩(ryolite)=石英粗面岩ともいう。花崗岩に近い化学成分および鉱物成分を持つ噴出岩で、一般にハリ質の石基中に長石、石英および有色鉱物の小はん晶をもつのが普通である。主として溶岩流時には岩脈として現われる。緻密で堅硬なものは砕石として使われる」ということですが、うーん、難しいですね。要は、あそこは大昔は大きな湖であった篠山盆地の西の岸辺にたたずむ火山で、その噴火したマグマが固まったものだと思えばいいのですね。
私はてっきり、いつも樹氷がつくからそういう名前がついたのかな?と思いました。でも上で地元の人らしき人が「こんなにすばらしい樹氷は年に1回あるかないかです」と言っていたのから判断すると、どうもそれは当たっていないようです。
城跡から目を北東にやると気品ある岩山が屏風のようにつらなっています。西から西ヶ嶽、三嶽(みたけ=正しい呼び名です)、小金ヶ嶽、そして、一番東が四十八滝のある峠山です。篠山盆地がかつてのように湖ならなんと美しく水に映えたことでしょう!
H殿のわが山岳会50周年を祝う企画、関西100名山シリーズの一発目ということでいわば「ご祝儀参加」ということで参加しました。ぜひ続けて「ゆっくりと」100名山の登頂をめざしてほしいですね。私は別の企画(「RDBの会」)がありますのですべてに参加するのは無理ですが、どうかみなさんもぜひ関西100名山に参加してください。
K川さんのCLの姿は私は始めて見たのですかね?えっ、ゆっくり歩いてるやん!これやったらみんなついて行けるやん!と思ったのでした。
山のうんちくですが、…私個人は業者の決めたランクや順序に従って山にいくなどまっぴら!!!と思ってきたのですが、今回はヤマ○イと私の間にH殿が噛むと印象が違ってきました。目新しい自己発見となりました。
同例会に日程が合いましたら、また参加させて頂きます。CL K川さん、TC H殿、ご苦労様でした。参加のみなさんにもご一緒して頂いてありがとうございました。また、関西100名山であいましょう。

【感想】48期 M.K.
丹波篠山の白髪岳、初めて聞いた山名で調べると肩をいからした様な三角錐の綺麗な山で展望がいいとあり、722mの低山で何が見られるか楽しみでした。小さな岩場を登った所でリーダーK川さんの歓声が上から聞こえた。岩場の下は切れ落ちて西側の展望が開け播州の山が見え、歓声は北斜面の霧氷でした。山頂付近は岩場をへつったり登ったりで、ロープやクサリ場があり面白かった。岩場には大きな松が張り付くように岩を巻き、霧氷で松葉はお菓子のようです。白髪岳山頂で2回目の歓声があがる。一面の霧氷と素晴らしい展望でした。北東に三岳・小金ヶ岳の多紀アルプス、東に松尾山、南に六甲山系、山名を教えて頂きました。大きな丸い尖がり山が三岳、ギザギザが小金ヶ岳、松尾山は目の前で山頂付近が白く、六甲の山はシルエットで長く続いていた。白髪岳山頂からの降りの霧氷のトンネル綺麗でした。松尾山卯塔郡は歴代のお墓のようですが、端に一つだけお地蔵さんが彫られたものがあり笑顔が素敵でした。国道372号デカンショ街道の名前が気になっていたのが家に着き思い出しました。祖父が歌っていたのを「デカンショデカンショで半年暮らす、後の半年ねて暮らす」幼稚園の頃なので、これだけしか覚えていませんが懐かしい思い出です。皆様楽しい1日を有難うございました。

【感想】50期 T.A.
関西100名山例会の一番目とあって是非とも参加したいと思い代休を取って駆けつけました。洛西NTでの集合時にはさほど寒さを感じませんでしたが登山口の住山で車を降りたときの寒さといったら来た事を後悔させるような厳しさ。チョット凹みました。それでも林道歩きから登山道に入る前には中間着を一枚脱がないと暑いくらい。風もほとんど無く絶好の登山日和です。
去年の清掃登山以来の例会参加で、その間体力を温存しておりましたので(不精をしていたともいう)リーダーのS川さんのペースに付いて行けるか心配だったのですが、強力な女性陣のおかげでコースも短縮され快適な山行となりました。でもY本さんには物足りないハイキングとなってしまったかもしれませんね。申し訳ありません。
山頂では澄んだ空気の中360度の展望を満喫。その上霧氷付きですから申し分なし。「年に一度有るか無いかだ。」との地元登山家の感想に益々得した気分になりながらお昼を頂きました。山頂からの縦走路は岩あり雪ありで変化に富んでおり、関西百名山の名に恥じないお山でした。
行き帰りの車内ではK西さん、S方さん、M崎さんの楽しいお話を聞かせて頂いたおかげで眠くなることも無く快適にドライブすることが出来ました。有難うございました。車のエアコンの調子が悪くガラスが曇りがちになっているのを見た辻野さん号に乗車されていた方々が「あみ号がヒートアップしてる!」って笑ってたそうですよ。
確かにチョット危ない話もありましたが・・・。(勿論ヒミツにしておきますョ。)次回の高見山には参加できませんが、翌日に同コースを歩くつもりにしています。皆さんと出来るだけご一緒させて頂いて関西百名山完登を目指したいと思いますので、今後とも宜しくお願いします。

【感想】 50期 J.O.
白髪山って変わった名前だなぁと思いつつウエブで検索すると・・・高知に、山形に、熊本にも在る! ナンだ。よくある名前なんだ。でも、どうして「白髪」なんだろう。今日登るのは丹波篠山の白髪山。丹波富士とも呼ばれる円錐形の山だ。
空は青く穏やかに晴れている。標高722m。住山登山口から山頂までの南斜面には雪はほとんど無い。が、辿り着いてびっくり。山頂は樹氷の世界だった。枯れたススキにまで霧氷が張り付いている。
山頂から東に並ぶ松尾山(687m)へ向かう道はそれぞれの北斜面を通る。日が当たりにくいのだろう。樹氷の森が残っていた。木々の背は高く、枝を広げて空を白く覆っている。太陽はちょうど中天あたり。融け始めた樹氷が光を浴びて輝いている。足元の雪には切り絵のような影。わずかな時間だが、前後の人と離れて視界から人影が消えてしまった。静かな雪と氷の世界に迷い込んだかのよう。ただ白く白く白く・・・
Y本さんの長期企画・関西百名山シリーズ。その記念すべき第1回に参加できて幸いです。今日、健脚のお二人、K川リーダーと浩史ツアーコンダクターはスローモーションで歩いて下さったのでしょう。私にはぴったりののんびり山行でした。皆さん、お世話になりました。ありがとうございました。
ところで、何故「白髪」山なのでしょう? 山頂で出会った方から「白髪山が晴れるのは年に一度」と伺いました。いつも霞や霧が白くかかっているのでしょうか。年に一度の晴天の今日も「樹氷で白髪頭のようね」と評されていました。「白髪」の由来。どなたか教えてくださいませんか。

【リーダー感想】48期 Y.K.
ツアーコンダクター企画による山行第一弾、お陰様でリーダーとは名ばかりで随分と楽をさせて頂いた。
昨年の三十三間山より南にあたるせいか多少積雪も少なめ。何より前回の寒さに懲りて今回はしっかり防寒対策をしていたので快適なスノーハイキングとなった。ゆっくりトップを歩くのも久々で、数箇所寄り道もあれば下山ルートも変更することとなった。でもメンバーの皆様の顔を見れば、怪我・事故もなく思い思いに収穫のあった山行となったようでよかった。白髪岳南稜の岩峰は思ったよりも切り立っており、山頂は360度主要山稜と篠山市街が一望。里山といえどいろんな顔を持つ"名山"と呼ばれるに相応しい山だと感じた。
 リーダー毎に山行色の異なる関西100名山紀行となればより一層面白いと思われる上、企画はツアーコンダクターが引き受けて下さるのでリーダーデビューに足踏みされている方にももってこいだと思う。今後様々なリーダーによる関西100名山山行を期待したい。


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