京都比良山岳会
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[No.2874] 関西百名山シリーズNo.4 帝釈山


寒かった冬が終わり、山頂の陽だまりに暖かさを感じる弥生の空、まさにハイキング日和。北神戸の丹生山系縦走例会を開催した。低山の楽しみ方の趣向として3つのミッションを用意し皆で楽しくこなした。
【日程】2008年3月2日(日)
【行程】京都7:29−三ノ宮8:22-42−谷上8:53-57〜鰻ノ手池9:46〜金剛童子山10:17-25〜花折山11:17-22〜稚子ヶ墓山12:06-37〜岩谷峠登山口13:16〜帝釈山14:08-22〜丹生山14:55-15:02〜北川原三角点〜丹生神社登山口15:50〜丹生山田の里温泉16:38-18:00=(タクシー)−谷上18:15-20−三ノ宮18:31-36−大阪18:58
【参加者】9名
【歩行データ】 歩行20.8q 7:41 延登高 1,344m 延下降 1,311m 5座登頂


【報告】48期 Y.H.
六甲山を貫通する北神急行は高い。僅か11分の乗車に520円もかかった。長いトンネルを抜け谷上駅から歩行を開始し、住宅街に入ると住民が総出で門掃きをしている。気恥ずかしさを感じながら、きれいな街を通り抜け谷山川の車道に出る。山頂域にある兵庫カンツリ−倶楽部に行く車が傍らを通り抜けて行く。谷山川は流量は少ないが、岩盤を伝う滝が随所に見られ一寸した渓谷気分を味わうことができる。
標高465mで道が平坦になると右側に鰻ノ手池という奇妙な名前の池が現れる。堰堤で谷山川を堰き止めた人造の池でどんより濁っている。池の北端を過ぎた辺りで車道は90度向きを変え西へと去って行く。車道を離れ単車の轍が目立つ登山道を北へと進む。
金剛童子山を目指すが、2.5万図の登山道は山頂を通っていない。ここで本日のミッション1「金剛童子山山頂部のルートを地図に書き込む」が始まった。行って初めて判ったことだが、この山の東側はモトクロスの練習場になっていて、この日も3台の単車がエンジン音を響かせていた。縦横に伸びる土のむき出したになったコースに単車を気にしながら進みピークらしき所に立つと西にさらに高いピークが見える。引き返して進むと登山道らしい道に戻り、山頂の南に回りこみ分岐から山頂に到る。
金剛童子山(565m)山頂は3等三角点「山田」が置かれ、山頂標識は沢山あったが展望は利かない。小休止して今度は西方面へ下山するが山頂真西に踏み跡があり有力候補と思っていたら、リーダーは、さも当たり前のように元来た道を引き返し山頂直下の分岐を右に取った。結果的には最短コースだったので、南西に下る尾根にルートを記すことができた。ミッションの設定としては非常に変化に富んだ面白い領域だった。
再び先程の車道に下り立つと北側に兵庫カンツリー倶楽部のコースが広がる。ゴルフ場の北には東鹿見山、西鹿見山が横たわる。北に進行方向が変わるとコース越しに金剛童子山を望むことができる。車道と別れ登山道に入ると花折山はすぐのはずだがなかなか着かない。やがて先頭を行くリーダーが「←花折山」の標識を発見し分岐を見落としたことが発覚、2.5万図は山頂を通る一本道なのだが現実には北側を巻いていて何処かに分岐があったようだ。暫く行くと分岐に達し西側から花折山を目指す道が見つかりパスせずに済んだ。「丹生山系縦走路」の看板が随所にあり整備されているが、低山ゆえの難しさは地図にない道が縦横にあること。
花折山(574m)山頂は山名と同じ名の4等三角点が置かれているが展望はない。元来た道を引き返し銃走路に戻る。「肘曲り」(455m)まで下ると最終着地銀河の湯への下山路が左に分岐する。谷筋を登り稚子ヶ墓山(596m)へと登る。
この曰くありげな山名は、別所長治の居城三木城を織田信長の命により羽柴秀吉が天正6年(1579)から8年に掛け攻めた際なくなった稚児を葬った墓であると伝えられる。また天正7年5月には丹生山の戦いが戦記にある。

伝承の地は展望が開け須磨アルプスや菊水山を望むことができ、その向うには明石海峡大橋で繋がる淡路島が横たわっている。山頂と思って休憩していたが、本当の山頂は少し西に行ったところに3等三角点「稚子ヶ墓」を従えて山頂標識があった。ただここからの展望はない。
北東方向に下り、車道に出るとそこは双坂池(標高386m)、これも人造池だ。国道428号線に出て岩谷峠の手前から登山道に入り帝釈山を目指す。ここから丹生山に到るルートは2.5万図に記載がない。そこで今日のミッションNo.2 「鉱山道の分岐点をプロットする」が始まる。帝釈山の手前で北山川沿いにある帝釈鉱山跡に下る道が分岐するが正確な位置が分からない。丹生山神社前BSに到る短絡道でもあり、皆で探すと3つ目のピークの南側を巻くところに下り道を見いだしミッション終了かと思ったら次の鞍部にも分岐に「東下BS」への標識がある。さらには帝釈山の直下で確実に「鉱山跡→」と書かれた標識を発見した。途中であった芝刈り小父さんによると先の二つは殆ど道形がないとのことで、正解は直下の分岐で2.5万図の標高500m付近にプロットした。
急登で帝釈山(586m)山頂に達し、今日の主目的を果たした。同名の2等三角点があり祠が何基か鎮座している。そして小父さんが一人休憩中、六甲山系の電波塔のある独立した山の名を問うと、旗振山だと言う。菊水山だと思って確認に聞いたのに。旗振山は須磨浦公園すぐ北の山だ!全然違う!
無理に終着点を温泉に変更したので今回の行程は結果20.8qと本例会としては異例の長距離になってしまった。参加者の体力レベルに合わせて予定のコースを行く本隊と先ほどの鉱山道を下る短絡分隊に分れ東西に向け出発、本隊は縦走路を進み丹生山を目指す。537mピークを越えるとシビレ山への分岐が2途出現し鞍部で裏参道の簡易舗装された車道に合流。鳥居をくぐり石段を登ると立派な社務所があるが、閉ざされてひと気はない。更に石段を登り拝殿前に達するとそこが丹生山(515m)山頂、登山の無事を報告した。山の名前は「たんじょうさん」だが神社は「にぶ」と読ませるらしい。
表参道を下りだすと「千年家→」の指導標が右手に分かれて行く。これは何を隠そう、寿永3年(1184)2月7日一ノ谷の戦いに向かう源義経らが通ったと言われる"義経道"だ。本隊の行く表参道の道幅は2mほどある立派な道で丹生山橋を渡ると裏参道の簡易舗装道路に合流し、やがて鉱山道が左から合流してくる。
今日3つ目のミッションは「3等三角点『北川原』を探す」、246mの三角点峰は登山道から外れている。一つ目の候補地をTさんが探索したが外れ。三角点は見通しの良い山頂に打つのがセオリーでそうすると次の高みかと探ると怪しげな踏み跡を発見!ヤブを漕いで突入すると50m程先にそれはあった。最後の記念撮影をして本日のミッションはすべてクリアーできた。
里に下りる頃、短絡分隊は丹生神社前BSからバスに乗り "銀河の湯"へと向かうと連絡があった。本体は帝釈山や稚子ヶ墓山を望みながら近畿自然歩道を歩き国道428号線に抜けホテルの取り付け道路に入る。ここからが長かった。温泉に辿り着いたとき皆の言ったことは「最後が一番きつかった!」
丹生山田の里温泉"銀河の湯"は"みのたにグリーンスポーツホテル"に併設された温泉で愛宕山の山頂付近にテニスコートや野球場を備えた設備である。公共の交通機関はなく帰りはタクシーのお世話になった(入浴料800円、露天風呂・サウナあり)。所要のあるリーダーを除き大阪駅改札内のお店で反省会をして20:30解散した。
《山紀行636》

【感想】36期 Y.T
今回はツアーコンダクターY本H氏が読図問題を3問用意された。
第1問「金剛童子山・山頂部のルートを書き込め」。私の答:頂上の東約200m付近から南西に登り、頂上から南に派生する尾根を北に登った。でもこれはかなり不正確。これが一番難しかったです。
第2問「鉱山道分岐の正確な位置をプロットせよ」。私の答:帝釈山手前約300mの鞍部。この手前にも分岐があり、10m程の小ピークを巻いたので間違いないと思います。
第3問「3等三角点・北川原を探せ」。林道から分かれて約500mの地点から踏み跡を南東へ数十mの所に三角点がありました。
ツアーコンダクターから渡された地図(1/25000)と、自分で用意した電子国土のコピーを利用しました。これは縮尺を任意に設定できませんが、等高線が見やすいので、最近はほとんどこれで済ましています。又少し読図が面白くなりました。
さて次は何を用意してくれるのか、今から楽しみです。

【感想】40期 K.N.
稚児ヶ墓山への案内板にその山名の由来が書いてありました。戦乱の世に、城攻めで命を落とした子ども達の遺骸を葬った…と。
山頂で稚児のお墓に静かに手を合わせました。
お日様は暖かく、ぼんやりとかすんだ海の上に遠く関空が見えました。
お墓に眠る子ども達は、平和になった今の世の中をどんなふうに見ているのでしょうか。
木々の間から聞こえてくる小鳥たちのさえずりが、何だか子ども達のひそひそ声のように思えてなりませんでした。

【感想】48期 M.K.
低山の縦走で歩行距離19.6kmのロングコースに不安ありましたが、3つのミッションを与えられ読図とルートファインディングに取り組んでいる間に行程が終わりました。1.金剛童子山山頂ルートを書き込む。モトクロスの爆音と泥沼状態の道が多く分りませんでした。2.鉱山道分岐の正確な位置をプロット。1つ目は細い道、2つ目は木にペンキマークがついた広い道、3つ目の広い道に鉱山道のプレートがあり確認できました。3.3等三角点「北川原」を探す。忘れていると後から声がかかり、展望よさそうな尾根を探している間に登って行かれ着いていく。私には難しい課題でしたが勉強になりました。神戸カントリー倶楽部横からは前回の六甲最高峰が望め、又バードウオッチングも楽しめました。コゲラ・ヤマガラはまじかに、カケスは飛んでいくのが観察できました。丹生山登山口から近畿自然歩道に降りると、丹生山・帝釈山が段々畑の後に、しばらくすると稚子ヶ墓山が見え縦走した達成感がありました。楽しい1日を過ごさせて頂きありがとうございました。

【感想】50期 J.O.
20.8kmの山歩き。平地の長距離は歩いたことがあるが、山の20kmは想像できない。低山ながら五つのピークを踏むルート。少し不安。その不安を増幅させるのが、本日の三つの課題だ。@金剛童子山山頂部のルートを書き込む A岩谷峠と帝釈山の間にある鉱山道分岐の正確な位置をプロットする B3等三角点「北川原」を探す
一目で「解けない」と分かる。が、とりあえず地図を片手に歩き出す。緩やかな道で足元の心配は要らない。道は大きく左へカーブしている。地図にも表れているのかな。1cmが250mと習ったけれど、250mはココからドコまで? 歩数を数えていると地図を忘れ、景色を見ていると数を忘れる。あっと言う間に、ココはドコ? 後は地図を握りしめているだけだ。時々T野さんの地図をのぞき込んで正解を教えてもらう。カンニングしている所をY本TCに見つかる。あぁ・・・
山はただ歩いているだけで楽しい。鳥の声が聞こえたり、日陰に雪が融け残っていたり、踏んだ落葉が柔らかかったり。小さい春、見〜つけた。でも、花の名前を知っているとその花をもっと好きになるように、地図を読めると山を歩くことはもっと楽しくなるだろう。百名山シリーズで「地図の読み方」を鍛えて頂こう。
皆さん、楽しいお話・ためになるお話をありがとうございました。長〜くてとても楽しい山行でした。

【感想】50期 T.A.
関西百名山山行に二度目の参加でした。前回の白髪岳は車で登山口まで行きましたが今回はJRで神戸まで行くことになっており通勤でもあまり電車に乗ることが無い私にとって朝からチョットした旅行気分を味わうことが出来ました。
一週前に高見山に個人山行していたこともあり運動不足のままいきなりの山行とならなかったことから20キロ以上歩いた割には元気でしたが最後の温泉までの歩きと登りで舗装路を長く歩いたせいで足の裏に水ぶくれが出来てしまい、沁みるのでお風呂にゆったりと入ることも出来ませんでした。
事前にガイドブックで調べてはいたのですが1/25000の地図には帝釈山への登山道の明記は無く又道なき道を行くことになるのかと心配していたら事態はまったくの逆展開。地図に無い道が有るわ!有るわ!モトクロスの道まで有る始末。読図の練習にはもってこいでしたが、ゆっくり地図を見ている余裕も無く又なんとなく皆様の後を付いて行くだけの山行となってしまいました。山行に参加するたびに自分のグズさを情けなく思います。でも、好天の中のどかな田園風景の中を歩くことが出来てとても気持ちよかったです。
杉の木が少なかったおかげで花粉の攻撃に遭わずに済んだこともこの時期の山行としては収穫かな? S方Lはじめ、TCのY本さん、ご一緒頂いた皆様有難うございました。所用があり反省会に参加できず残念でしたが次回は是非楽しい会話に仲間入りさせてください。

【リーダー雑感】6期 M.S.
関西100名山シリーズは今例会がNo.4である。私はNo.1こそ参加できなかったがNo.2〜4と参加することができた。これからもなるべく続けたいもの・・・。私も会社勤めの重い役割から1月末でもって開放され顧問と云う形で勤めには出ているが気分的には従来とは雲泥の差を感じている。やはり山歩きは「低山、日帰り」であってもプレッシャーを感じながら参加しているのがより良く解かった。
さて帝釈山例会であるがリーダーとは名だけで、いつものように全企画監修のY本H君に全面的に頼りJR大阪の車上で他の参加者と合流した。
前回の「六甲〜有馬温泉例会」と同様に読図がなかなか厄介であった。やはり大阪、神戸の裏庭といったところで多くの人が入り、それなりに道が増えているのである。No.2の高見山は大変な人気の山であったがそれなりに厳しさがあり、歩行道路が増える雰囲気ではない。しかし、ここ帝釈は山が低いのと特に「金剛童子山」周辺はモトクロスの乗り入れを許しているせいもあるが「花折山」ともども地図どおりにはピークを踏めなかった。なお「稚児が墓山」、「帝釈山」等、全て600m弱の山であったが、距離があり9名の内、S方(2名)、N田の3人は最後の「丹生山」をパスしてバス停に向かった。それでも6時間40分(昼食30分を含む)のコースであった。最後は「箕谷の銀河の湯」で締めくくった。
私は7月に台湾・玉山を予定しておりトレーニングのつもりで参加しているが、帝釈の最後の登りで足がツリトレーニング不足を露呈した。反省しきりといった所・・・。


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