京都比良山岳会
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活動記録 > 2008年
[No.2892] 「RDBの会」第3回例会尾瀬国立公園の植生観察


【日程】2008年7月18日(金)〜21日(月)
【参加者】会員11名、計14名
【目的】尾瀬国立公園域(主に尾瀬沼・尾瀬ヶ原・至仏山など)の植生観察
【天候】晴れ

【記録】 50期 J.O.
7/18(金)JR京都駅23:05 −(JR高速バス)−6:15東京日本橋口
7/19(土)JR東京−JR上野−地下鉄上野−銀座メトロ線浅草−東武鉄道浅草8:00−(特急きぬ103号)−9:57鬼怒川温泉10:01−(AIZUマウントエクスプレス)−10:45会津高原尾瀬口11:03−(会津バス)−12:58沼山峠口13:25−15:10尾瀬沼・長蔵小屋別館泊レクチャー(inビジターセンター)19:00−19:40
7/20(日)〔尾瀬沼散策組〕 長蔵小屋6:53 −8:02沼尻休憩所8:21−10:19第二長蔵小屋10:50 −11:41東電小屋−12:02ヨッピ吊橋−12:50 第二長蔵小屋〔燧ケ岳登山組〕 長蔵小屋5:30−12:30第二長蔵小屋、第二長蔵小屋前にて合流 13:33−15:26山の鼻小屋泊
7/21(月)山の鼻小屋4:58−9:17至仏山9:40−10:36小至仏山10:46−12:33鳩待峠13:00(シャトルバス・タクシー)−13:24戸倉13:35−(関越交通バス) −15:00JR沼田−(タクシー)−JR上毛高原駅16:50−(Maxとき334号)−17:54 JR上野 銭湯−JR東京20:10−(のぞみ91号)−22:28 JR京都
【歩行距離】7/19(土) 約 4.2 km
7/20(日) 約 18.7km
7/21(月) 約 7.4km
合計 約30.3km

♪夏が来れば思い出す・・・はるかな尾瀬は遠かった。京都からバス・電車を6本乗り継いで、ようやく沼山峠休憩所に辿り着く。が、最も早い時間に尾瀬沼に到着するウルトラC級のコースだ。テラスに腰掛け浅草で調達した駅弁を広げる。記念撮影をして出発だ。 休憩所(1750m)から実際の沼山峠(1784m)までは林の中のゆるやかな登り。木の階段そして幅広の木道と続く。モミジカラマツの繊細な白い花。エンレイソウの暗紫色の花びら。葉の裏に隠れるオオバタケシマランの小さな釣鐘は淡い緑色だ。ゴゼンタチバナはあちこちで群生している。林を抜けると若草色の大江湿原。濃い黄のニッコウキスゲ。青紫のヒオウギアヤメ。白いワタスゲはふんわり膨らんで風を待っている。木道はまっすぐに伸びている。小さな花達をもっとよく見ようと足元の茂みをストックでかき分ける。赤紫のサワラン。ハクサンチドリの紫の濃淡に見とれながら歩いていると、湖畔の三本落葉松が見えて来る。尾瀬沼(1666m)に到着だ。
長蔵小屋は明治23年に尾瀬に初めて出来た山小屋だ。別館は平成11年築だが、民家の古材が使われて落ち着いた雰囲気。まずお風呂に入る。「お湯はおひとり2杯までで」の貼紙。湯の貴重さ・有り難さに感謝しつつ、汗を流す。サッパリ気分で湖岸を散策する。夕暮れの穏やかな燧ケ岳・尾瀬沼を背景に記念撮影。ビジターセンターのスライド上映は大入り満員。立ち見・床見が出ている。賢い植物達の話を聞く。ワタスゲが実る頃は周囲の草丈が高くなっている。そこでワタスゲも背伸びする。高く高く。綿毛に風が当たって遠くへ飛んで行けるように。対するタテヤマリンドウは種子の入った筒を天へ向け、落ちて来た雨粒の反動で種を飛ばす「チャッカリ他力本願型」だ。
小屋別館の談話室に戻り、立派な木のテーブルを囲む。暖炉に薪がくべられている。Tシャツ1枚で居られるのはそのお蔭か。明日の朝も早い。A田さんとS原さんはテントへ。他の皆は壁に作り付けの4段!ベッドと畳に布団を敷いて就寝。
20日。燧ケ岳登山組(A田さん・O田さん)は夕べの内に受け取ったおにぎりを食べて出発。リーダーが見送る。尾瀬沼散策組は日の出前の尾瀬沼を散歩中だ。湖面から靄(もや)が立ち上っている。露に凍ったような草の葉。光るクモの巣。お日様が顔を出す。緑の草原に長〜く伸びた私達の影が並んでいる。
朝食後、散策組も出発。北岸を行く。林を出て、湿原に入る。湿原を過ぎて林に入り、また細く木道は続いている。沼尻休憩所で小休止。「特別天然記念物・尾瀬」の案内板がある。「尾瀬はその貴重な原生自然の保護のために特別天然記念物に指定されている」のだ。確かに様々な動植物が次々と現れる。ノアザミの蜜を吸う黄色い蝶。14、5cmありそうな巨大なめくじ。ヤマナメクジか。殻の渦が左巻きの蝸牛(かたつむり)・ヒダリマキマイマイは色黒だ。蝸牛の多くは右巻きで、少数派の左巻きの大半は東日本に生息するという。が、他に見つけた2匹は右巻きだった。目立たないが、あちこちにモウセンゴケ。粘る葉に止まった虫を溶かして食べる食虫植物だ。ナガバノモウセンゴケは尾瀬と北海道限定とか。
花は数えきれない。地中から白い顔を出す竜はギンリョウソウ。ハクサンシャクナゲ・ヒメシャクナゲ・ツルコケモモ。オオウバユリ・ナルコユリ・ギョウジャニンニク。トキソウ・カキラン・ミズチドリ。段小屋坂付近の暗い林にはショウキラン。などなど。イヨドマリ沢の清流を渡れば、涼しげな水音とひんやりした風。
見晴の第二長蔵小屋に到着。燧ケ岳組とは午後1時に合流の予定。まだ2時間40分ある。尾瀬ヶ原の北側をぐるりと半周する。見晴から北上して東電尾瀬橋を渡り、東電小屋を過ぎる。ヨッピ吊橋から南下して龍宮十字路を左折。まっすぐ北東へ。ハッチョウトンボ(雄)を発見。日本で一番小さいトンボだ。体長2cmほどだが、真っ赤な尻尾で目立つ。見晴に戻る。燧ケ岳組は既に到着していた。小屋のお弁当(おにぎり2個)を食べて、東西に広がる尾瀬ヶ原を一直線に西へ。熊避けの鐘は2ヶ所に設置。熊との接触事故が増えているらしい。無用のトラブルを避けるべく、鐘を槌でたたいて進む。池塘にはヒツジグサが花開いている。ぴたり未の刻(午後二時頃)だ。その先はただニッコウキスゲが咲いているだけだ。黄色に染まった草原で、みんな子どもの笑顔だった。
最終日。am4:58山の鼻小屋を出発。すっかり夜が明けている。木道の最西端を歩いて至仏山へ向かう。「ここが森林限界です」という案内板(1650m)の横で小休止。「至仏山は蛇紋岩という、植物が育ちにくい岩で出来ているため、周辺の山に比べて森林限界が低い位置にある」とのこと。この先高木は生えていない。大きな岩がゴロゴロし始める。「滑りやすい」とウワサに聞く蛇紋岩だ。クサリ場も何ヶ所かある。岩場と木の階段を繰り返しつつ、高天ヶ原(2100m)に到着。暑さと疲労のためか食欲が無いが、朝食のおにぎりを押し込む。テラスから樹林帯の彼方を見下ろせば、尾瀬ヶ原が雲に見え隠れ。池塘は大小300。あの大湿原を昨日1日中歩き回ったのだ。ここまでに見られた花はシブツアサツキ・ジョウシュウアズマギク・ミネウスユキソウ・ユキワリソウ・イブキジャコウソウなど。
なだらかな木の階段を登る。広々とした花畑。花達は急に高山帯らしい装いを見せ始める。ホソバヒナウスユキソウ・タカネナデシコ・タカネバラ・ハクサンイチゲ・ミヤマキンポウゲ・チングルマ・・・ 全てカメラに収めたいが、登山者の列の中では撮りきれない。ため息をついている内に至仏山山頂(2228m)に到着だ。大岩を転がした広場のよう。大勢の登山者がお弁当を食べたりお茶を飲んだり。360度の展望を楽しんでいる。
ここから小至仏(こしぶつ)山までが大変だった。「なだらかな稜線」と地図を読んだのは大間違い。大岩ゴロゴロ。「岩稜」と呼ぶらしい。ハイマツやササ・草花の緑から、茶色の大岩がゴツゴツ突き出してダイナミックな雰囲気。登山道だけに土が見える。岩と岩の狭いすき間をやっと通り抜けるような、道とも言えない道もある。譲ることもままならない。後ろから追い抜く人には、大岩を飛び石に飛んでもらう。この岩稜歩きが1時間続いた。ここまでの尾瀬歩きの合計は約26km。疲労はピークに達している。「しんどい」とも言わず、皆、よく歩いた。小至仏山山頂(2162m)は岩を積み重ねたような狭い場所。慌ただしく記念撮影して、少し離れて小休止。後はひたすら鳩待峠を目指す。と、下から登って来る人影。篠原さんだ。以前の山行で膝を痛め、山裾の川上川に沿って鳩待峠へ先回りしていた。全員で山を下りる。峠の広場が見えた。登山道の終点で、先頭を歩いていたリーダーが振り返り、皆を迎える。ひとりひとりと握手を交わす。お疲れさまでした。

【感想】50期 K.O.
「尾瀬沼から燧ヶ岳をなくしたら、山中の平凡な一小湖に化してしまうだろう」とは、深田久弥の本の中にでてくる一節である。それほど燧ヶ岳はさっそうとしてカッコイイ。花の苦手なわたくしにとって、尾瀬の魅力は尾瀬沼にそそり立つ燧ヶ岳をながめること、できれば登りたいと思っていました。リーダーのY本N彦さんは単独では登らせてくれないとのこと、わたくし一人だったらどうしようと悩んでいたところA田さんが同行してくれることになり助かった。感謝、感謝。さて、尾瀬沼東岸から登山道にはいると足下が悪く、ぬかるむ道を進むことになる。靴もズボンも汚れるが仕方ない。1900mくらいから傾斜も急になり、もう一息と頑張ればミノブチ岳に到着だ。ひろい山頂で休憩。眼下に尾瀬沼が横たわり、遠くは男体山や日光白根山が望める。十分休んで、いよいよ燧ヶ岳へ。
柴安の方が標高は高いが眺望は俎の方が良い。360°見渡すことができ、とくに北に会津駒ヶ岳を拝することができるのがうれしい。東北の山は大きくゆったりとして、いつまでも時の経つのを忘れて眺めいっていた。帰りはひたすら歩き、下田代十字路(見晴)に着くとS原さんが昼寝をして待っていてくれました。今回この企画をつくっていただいたY本様ありがとうございました。

【感想】M.K.
尾瀬より帰って、しばらく茫然としていました.目にした風景や野草、凛とした可憐な花々そして素敵な仲間たちと一緒の楽しい時間、どう表現したらいいのか・・
今回脳裡に焼き付いた私の大切な2つの体験を感想文とします.
2日目の早朝 尾瀬ガ原散策
朝露に包まれた薄紫の草原、その中に露をちりばめた蜘蛛の巣、風に触れて形を変えて美しく揺れていました.そのすぐ足下に咲くサワランとトキソウに思わず喜びの声をあげました.時とともに緑の空間が一瞬一瞬景色が変わリ色が移ります.
自然の驚きに満ちた命の輝き、不思議さに感嘆する気持ちを語る言葉を持ちません.
ニッコウキスゲ、ワタズゲ、ヒツジグサ、スミレ、オニアザミ、モウセンゴケ、キンバイ、ハクサンチドリ、ギンリョウソウ、オゼ・コウホネ、ヒツジクサ、オゼヌマタイゲキ・・等々ただただ視る、そっと触る、匂う、味わう、しばらく使っていなかったため鈍くなった感覚の回路が、一度に動き出して何を見ても美しかったです.忘れられない幸せな体験でした.
3日目 至仏山 登山
先頭のY本(N)リーダーの足運びを必死で追った至仏山への登り.一歩一歩的確に声をかけてくださったリーダーの声が今も頭にあります.リーダーの「忍耐」と「寛容」に感謝です.
登りの途中"もーダメ"と列の後ろに下がろうとしたとき、K西さんが、きりっとした目でまっすぐ私の目を見て、頭を横に振りました。"後ろに下がってはダメ"と無言のメセージです.一瞬で了解しました。私はここが勝負なんだ.しっかりしろ!とひたむきにリーダーの足運びを追っていくうちに、自然に自分の視野が少しづつ広がってリーダーの身体の動き全体が見えて、道筋が見え身体が楽になってきました.身体のリズムが出来てきました.そして、下りは歩くことが楽しくなって、登りのとき見えていなかった周囲の風景や花を見る余裕もでてました.身体が何かを覚えたかなと思うほど自然に歩いてました.まさに実地訓練です.ありがたい事です.そしてK西さんの「目」に感謝です.あの目に出会ってなければ吹っ切れませんでした.
皆さんと出会えて、一人一人の方がユニークで優しくて、いろいろアドバイスをいただいて、共にいる事が刺激となり幸せな時間でした.感謝です.
入会1年が経って、やっと山と向き合っていく視点が定まってきたと感じてます.

【感想】S.I.
絶滅してしまったの?オゼコウホネ
尾瀬は平成19年8月30日、日光国立公園から分離し、我が国29番目の最も新しい国立公園。稀少植物、固有植物の宝庫である尾瀬での例会に同行させてもらった。この例会は観察会ということで、じっくりと見て回れるため、とくに尾瀬ヶ原では稀少植物のオゼコウホネと至仏山のホソバヒナウスユキソウを視点においた。池塘が点在する湿原の中の木道を東電小屋の方まで歩き、オゼコウホネを注意深く探し求めたがどうしても見当たらない。池塘の中にはヒツジグサだけが多く咲いているだけ。
 稀少植物のナガバモウセンゴケがトンボを捕らえて食事中?の貴重な場面も出会えた。日本最小、2cmほどのハッチョウトンボが何匹も羽根を休めていた。可愛いい赤とんぼだ。
 オゼコウホネのことについて、山小屋の方に聞いてみた。「何株かはあるだろうが本当に少なくなってしまった」との事。原因は何だろうか。池塘の変化?それともヒツジグサに占拠されたのか。結局観ることは出来ず残念だった。
 至仏山はホソバヒナウスユキソウなどの高山植物が咲き一面のお花畑。ハヤチネウスユキソウ、コマウスユキソウなどと共にエーデルワイスに最も近いウスユキソウで、蛇紋岩という岩山のみに咲く可憐な高山植物で大感激した。
 さすが、尾瀬は日本最大の高層湿原。多くの高山植物が彩り、訪れる人を楽しませてくれる貴重な地である。ゴミ持ち帰りも徹底されていて、入浴も出来るが洗浄剤はもちろん禁止。自然を守る努力は入山者一人一人の心がけに掛かっていると思う。四季を通じて何度でも訪れたい地である。山小屋のトイレがウオシュレットで快適なのには驚いた。

【感想】「尾瀬,至仏」  Y.T.
JR夜行バスに初めて乗り全行程重い荷物を背負い目的の植物観察と至仏山、少々不安を抱きながら参加させていただきましたが、本にも書いてありますとおり植物の生命が最も輝く季節を選んでいただき何もわからない私でも目を向け、ゆっくり楽しませていただきました。(我々のグループほど熱心に観察している入山者なかったと思います)
至仏山(2228メートル)も前日の雨で滑るのではと思ってましたが蛇紋岩が多くなってくるとリーダの山本氏が大きな声で気をつけるように言ってくださるので安心して歩くことができましたし、変化にとんだ道を楽しんで登ることも、また、残存植物の中でもホソバヒナユキソウを見た時には感動しました。朝、山の鼻小屋を出発してから8時間ほど歩いて鳩待峠に着いたときにはどろどろの靴を洗いながらも達成感に満足しながらもう1日2日尾瀬にいたいなーと思いました。リーダはじめ山岳会の方々、本当にありがとうございました。

【感想】42期 M.S.&51期 M.M.
弱足グループS方・M崎 二人の感想文です。
レポーター S方
S方:「M崎さん 感想をお願いいたします。一番気にしたことは?」
M崎:「今回の山行きで3日間荷物を担いでの行動が初経験で、皆さんと共に行動できるかが一番心配でした。だから荷物は軽くと、何が必要で何がいらないかと考えましたが、小屋で先輩の荷物の遣り方を見せていただき、いい勉強になりました。」
S方:「そうでしたね。自分では知恵を絞ったつもりでも、経験者の教えにはそつがないですね。感激したことは?」
M崎:「勿論、花が一杯見れたことですし、それを教えて下さる先生がいて、花の本も買ったこともなかった私ですが、それを購入し、現物を見て照らし合わせて、名前がわかったことに感激しました。」
S方:「20日午前中の湿原歩きは、花観察に余裕があり、日光きすげが咲き誇っていました。その黄色と青々した山どりぜんまいの葉と組み合わせがすばらしい景色でしたね。」
M崎:「花観察はほんとに楽しかったです。数人が同じ本を買ったので、花が見つかると(教科書何ページを開けて)なんて言いながら、楽しい学校の遠足を思い出しました。およそ65種類、それ以上の花を見ました。花の名前が全部覚えきれないのが残念ですが、それでも花に興味がわいてきたのがうれしいです。いまでも日光きすげのあたり一面の橙色が目に浮かぶようです。」
S方:「午後からの山の鼻小屋行きは、私は限界だーと感じましたが?」
M崎:「そうです。至仏山を見上げながら、山の鼻小屋めがけて木道を黙々と、もくもくと歩きました。小屋到着時にはいつものへろへろ状態でしたが、お風呂に入れたし、食事がよかったので生き返りました。」
S方:「至仏山登山はいかがでしたか?」
M崎:「登りは重い荷物を担いで自分では驚くほどに頑張れました。頂上からの眺めを見てやったーと達成感に喜び震えましたが、やはり下りは前の日の疲れも加重されて最後はへとへとになりました。一時はパスしようかと気持ちが揺れましたが、予定通りの皆さんと共に行動できてよかったと、ほっとしております。」
S方「天気に恵まれましたね。」
M崎「天気もそうですが、花も一番いい時期に来たようで、楽しい仲間とわいわいと言いながら、とてもいい山行きでした。企画して下さったリーダー、世話を焼いて下さったサブリーダーにお礼申し上げます。」
これで、弱足グループS方・M崎の反省会の報告を終わります。

【感想】25期 T.S.
昨年例会の反省会で「来年は尾瀬に行くから、一緒にいこな」と言う話から、前回のニッコウキスゲの大群落や、池塘の浮島やヒツジグサなど思い出しもう一度行きたい思いで参加しました。
沼山峠から入るのも尾瀬沼も初めてでとても新鮮でした。
4月29日に賤ケ岳に登ったときに痛めた膝が完治しておらず、不安がありました。
案の定、長蔵小屋に着く頃には痛みに耐えながら歩いていました。到着後、散歩だと言って尾瀬沼畔を歩いた時、痛みはピークでした。でもすごく景色もよくお花畑に癒されてテントサイトに戻ってきました。
二日目は第二長蔵小屋までの僅かな距離にあえいでいました。小屋の前のベンチで一人荷物の番をしてました。これからが尾瀬ヶ原縦断6キロの行程です。Y本さんにストックを借り、TさんK西さんにシップ薬使い捨てカイロを貰い、O田さんには荷物を持ってもらってダブルストックで前の人に遅れないよう必死でした。山の鼻小屋に着いた時には、ストックなしで歩くのもままならない状態でした。
三日目
至仏山の登山には、この膝は耐えられないと、判断して、リーダーのY本さんに鳩待峠に直接行く事を告げると快く承諾いただき、単独行動することになりました。すると問題は時間がたっぷり余ることです。まだ早いので朝食のおにぎり弁当を食べるわけにもいかず、研究自然園の1キロ程の周回コースを朝露にズボンのすそを濡らしながら一周した後弁当のおにぎりを小屋の前で食べました。キジバトが近くでエサをついばんでいて、ご飯粒を放ってやると手から2〜30センチのところまできました。捕まえられそうなくらいです。人間はエサをくれるものとしか、思ってないのかもしれないですね。その後山の鼻ビジターセンターに行き資料館の標本やパソコン・ビデオ案内を見てすごしました。鳩待ち峠で待っているより、よっぽど有意義に時間をつかえました。
それでも、鳩待ち峠には9時過ぎに到着して一眠りの後、暫く待っていたけれど、バスやタクシーに排気ガスを掛けられるのもいやになり、至仏山登山道を登る事にしました。膝も昨日より痛くなく、途中空荷になりみんなと出会えるところまで登りました。最後に尾瀬ヶ原が見えたのは、ラッキーでした。
今回お世話になった方々に大変感謝しております。計画から切符の手配までしてくださったY本さん会計のN田さん、写真を送ってくださったT石さんO野さん有り難う御座いました。

【雑感】21期 N.A.
初めての尾瀬山行になりましたが、朝に開き夕べにはしぼんでしまう一日花であるニッコウキスゲはじめ花の名前のあまり知らない私も多くの花に出会い感激いたしました。今回Y本リーダーにはお世話になりました。リーダーと言うよりも旅行会社のツアーコンダクター以上に何もかも任せきりになりました。山岳会には、先輩がよく話をされていましたが、企画、立案者、リーダーは存在しても登山は、みんなで決めて旅行会社のツアーコンダクターのような任せきりの登山にしてはいけないと私も思っております。今回私の反省すべき一つです。
 今回の山行は、小屋泊まりとテント組になり、私はテント泊になりましたが、今まで泊まりがけの登山に小屋泊と、テント泊に分かれての登山はあまりなかったと思います。今年の夏合宿も今回の尾瀬と同じ登山形式になりますが、これから、会の方針、会員100名以上にすると、会員の構成年齢(入会時の年齢)等を考えると小屋泊登山は参加できてもテント泊は荷物の重量の関係などで参加できない会員が出てくると思われますことから、リーダーはもちろんのこと企画委員会、理事会、会員みんなで検討すべき課題の一つだと思います。

【感想】「3回目の夏の尾瀬」H.K.
ニッコウキスゲの開花群落を目にしたく3回目の尾瀬に。それと、もひとつ秋の尾瀬2回通算5回目目で燧岳に登れると期待しつつ参加。
燧岳あっさりとあきらめる。前日の雨で燧岳から下山してこられた人々の姿を目にこりゃだめだ。膝から下はどろどろ。中には腰から下もどろどろ。長蔵小屋の前の水場で洗濯している人も。時間的な余裕がとれるのはありがたいことで、東電小屋のほうまで足を延ばし念願のニッコウキスゲの群落の中を散策することができた。又花々の名前を調べながらゆっくりと観察できた。夏の1回目、64歳になっていた母、息子11歳、娘4歳、鳩待峠から尾瀬小屋へ。ここで台風接近。あわてて元来た道を後戻り。
雨の中、花 どころではなくなり、水上温泉で足止め。夏の2回目5年ほど前??。ニッコウキスゲの開花に合わせ無理をして今回と同じ日にちに設定。ところがほんの少ししか花はなし。花の種類も少なくこれは変だ変だ。小屋の主人に聞けば6月のおそ霜で花芽がほとんど枯れてしっまたとのこと。残念至極。今年3回目の夏の尾瀬、やっと期待していた、花いっぱいの尾瀬ケ原を満喫することができました。
それに2回目の至仏山。前回は鳩待峠からの登り。今回は山の鼻からの登り。蛇紋岩の滑りやすい下りが長いよりも山の鼻ののぼりのほうの選択はよかったのでは。至仏山のミネウスユキソウ、ホソバヒナウスユキソウ、をみることができ感激。皆さんありがとう。 またの機会に尾瀬におさそいください。

【感想】2期 M.T.
久しぶりの山行で.メンバーの中で最年長でもありまっ先に頭に浮かんだのが皆さんに迷惑をかけないか一番心配した。しかし冬のスキー(海外を含む).年3,40回のゴルフ.週4日の卓球.と年齢のわりには自分なりに体力の維持には気を配ってきたので多少の自信もあり参加する事にした。
 一度は行ってみたかった「尾瀬」。K西さんの奥さんからの誘いもあり意を決して参加する事にした。
尾瀬に入って2日目の周辺の植生観察ではリーダーの山本さんはじめメンバーの花の知識に詳しいのにはおどろいた。小生なんか花の名前を聞いても右から左すぐ忘れてしまう。印象に残ったのは.「ニッコウキスゲ」。この群生はジユウタンのように広がりその美しさに感動した。
初日の行程.長蔵小屋ー東電小屋ーヨッピ橋−竜宮小屋ー長蔵小屋(昼食.燧ヶ岳登山組と合流)−2日目の宿泊地山の鼻小屋までの全行程を現地の案内掲示板で距離を積算すると19.1kになった。メンバーの万歩計では14k程度だったとか。どちらが正確なのか。
ほとんど平坦な道だったがこれだけの距離を楽に歩けたという事は翌日の至仏登山の自信になった。
最終日の至仏登山ですが下から見るとほとんど直登のコースが手に取るように見える。気を引き締めて臨んだが登山道は木道がよく整備され登りやすかった。途中に数多くの高山植物が我々をたのしませてくれた。頂上から見る尾瀬ヶ原の景色はバッグンだった。鳩待峠への下りは右膝にバクダンをかかえる(十字じん帯損傷)小生には結構辛かったがストックを頼りになんとか無事降りる事が出来た。楽しい山行が経験できて.メンバー全員に感謝。又.春及び秋の尾瀬に是非行って見たいと思う。

【感想】 40期 K.N.
 昨年は草紅葉色づく秋の尾瀬、そして今年はニッコウキスゲ咲き乱れる夏の尾瀬を訪れる幸運に恵まれました。
 尾瀬沼から尾瀬ヶ原(燧ヶ岳)、そして至仏山へと、美しい風景と花々を存分に楽しみました。
 中でも、蛇紋岩変形植物といわれる至仏山のホソバヒナウスユキソウをじっくり観察できたことは、一生の思い出になりました。
 この次はドロンコになること覚悟で、是非、燧ヶ岳に登ってみたいものです。
 ご一緒いただいた皆さん、ありがとうございました。また、尾瀬に行きましょうね。

【感想】44期 N.Y.
14人の参加者で楽しくもうれしくも、が、植物観察の方が細かく出来るだろうか?そんな思いで始まった今回の「尾瀬国立公園」での植物観察。実は私の密かなねらいはユキワリソウとの再々会。
今までとの大きな違いは、至仏山が尾瀬ヶ原からの上り一方通行になったこと。今までのように鳩待峠から至仏山、尾瀬ヶ原を縦断して、尾瀬沼へというルートがとれなくなったこと。
今回はそんなことで、私も初めての沼山峠からの尾瀬沼への関西人グループの珍入?とあいなった。正直言うと、高速の深夜バスは苦手。眠れない。早朝の東武電車にのってあの有名な鬼怒川温泉へ。関東人は西は熱海。東は鬼怒川らしい。そこで乗り換え。自転車をかついで乗り込んできた女性と語る。会津で走る!と言う。バスはなんと会津高原駅で、我々のために追加の沼山峠直行便のバス1台を出してくれると言う。ありがたいというか長閑(のどか)というか、とにかく感謝だ。途中で、会津駒ヶ岳への登山口があった。また行きたいものだ。御池(みいけ)は駐車車両で満杯だ。500台は下るまい。
さて、沼山峠は私は初めて。さすが立派な休憩施設や売店やトイレや大きなバス旋回所など施設がしっかりしている。確かこの林道が延長されて尾瀬沼から群馬県側に通じる予定だったはず。恐ろしいことを考えたものだ。
沼山峠から御池までの定期バスの最終が17時台だ。尾瀬沼や沼尻までは日帰コースであるわけだ。昼食を取って出発。沼山峠から約2時間で尾瀬沼。長蔵小屋にチェックイン。テント組は、尾瀬沼ヒュッテへ申し込み。予約がないとだめ。キャンセル待ちが何人かいると小屋主が言う。テン場は私も現場までいっしょに行ったのでよく分かったが、テントを張る場所が板張りになっていて決まっている。オーバー・ユースにならないようになっている。さすがだ。
ここでサンリンソウを見たかったが、もう時期的に遅かったようだ。長蔵小屋の前の庭にさいていた薄ピンクのヒメサユリはすばらしかった。(何度かここで見ているが、朝日連峰にむしょうに行ってみたくなった!行くとすれば6月後半だが…)
今回の目玉のニッコウキスゲは、どうかな?尾瀬沼あたりはいまいちだ!
 2日目午前中は、燧ヶ岳組と尾瀬沼―下田代十字路ルート観察組に分かれる。実は前夜、どうしても燧ヶ岳に単独でも行きたいO田さんに、単独行で事故があったときには対応できないので…と言っていたら、A田さんがいっしょに行こう!と言ってくれた。感謝!!O田さんよかったね。
右手に燧ヶ岳の裾野を意識しながらの散策気分。絶えず左手の沢は尾瀬沼から流れ出す豊富な水量を東から西の尾瀬ヶ原に向かって流れ出させている。林間とはいえ、植生は豊富だ。下田代十字路の長蔵小屋の前で13:00までに燧ヶ岳組と待ち合わせだ。それまでに、われわれは下田代から東電小屋を経由して、ヨッピ吊り橋へ。そこから竜宮十字路を経由して見晴へ。燧ヶ岳組のA田さんとO田さんの二人はさきに来て待っていてくれた。やっとこのコースで、ニッコウキスゲの満開に出会った。きてよかった!
 山の鼻小屋まではひたすら木道歩き。山の鼻小屋に着いてすぐに強烈な夕立。おいおい、みんな何はともあれしっかり歩いたおかげだよ。ザックに忍ばせたビニール袋の恩恵をこうむらなくてよかった!早く小屋に着いてよかった、と思ったときは右手に冷えたビール缶が…。カンパーイ!!いよいよ明日は至仏山へ。夜には部屋で全員14人が車座で明日の打ち合わせミーティング!なかなか楽しいひとときでした!
 さて、最終日は至仏山へ。篠原さんは残念ながら膝の調子が良くなくて至仏山登山を断念すると言う。それを楽しみにしてきたのに…。山の鼻から鳩待峠は穏やかな木道で彼なら大丈夫。鳩待で待っといてや!と言い残して出発。
山頂間近でやっとマイ・ユキワリソウにあえた。株数は前回よりもかなり少ない。これで私は何度目かだが、また逢いたいと思うほどの可憐さだ。確かに人生は可憐さだけでは生き抜くことは出来ないが、その可憐さから教えてもらうことは大切にしたいものだ。その背景にある土質・気候の厳しさに思いを来すとホソバヒナウスユキソウたちもけなげに見える。それにしても蛇紋岩はよく滑る。よく滑るためにその岩をよけて周りに山道が広がり、そのために至仏山の尾瀬ヶ原への山道がここしばらく通行禁止になっていたようだ。再開と同時にこの道は尾瀬ヶ原からの上り一方通行になったのは当然といえば当然だ。木道の階段が完備された。本当に木道の階段が設置できないところだけ鎖での岩登りだ。花に気を取られて気が付くと鳩待峠だった。その手前でS原さんがみんなを「ホイホイホーイ」の合い言葉で出迎えてくれた。痛みがなさそうでよかった。
最初の心配は杞憂であったことが解った。そうか、今回はみんなお花好きのメンバーばかりだったのを忘れていた。おかげで私は新テキストを手にした皆さんから植物の名前を教えてもらうことも多かった。
 それにしても、いい花旅だった。28この花目はもっと尾瀬にいたい気持ちを抑えて、上毛高原駅から上越新幹線の乗客となり、浅草の銭湯の珍客となり、うとうとすると見慣れた東寺の塔をみながら京都駅に降り立ったのだった。
 みなさん、お疲れ様でした。事故もなく楽しい花旅ができたのもみなさんのすてきなチームワークと注意力と互いの気遣いのおかげです。感謝します。このチームワークの良さはたった1回で解散するのはもったいないかな?


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