[個人] 三国岳《山紀行647》

中央分水嶺が滋賀県高島市を通る区間は"高島トレイル"として平成17年暮れ高島市の事業として整備された。その最南部の三国岳から百里ヶ岳の手前まで歩いた。
【日程】2008年6月7日(土)
【参加者】48期 H.Y.
【行程】桂3:55=小入谷BS5:18-25=桑原橋5:35-42〜三国岳6:48-51〜地蔵峠9:19-22〜三国峠10:00-29〜クチクボ峠10:37〜おにゅう峠12:29-32〜白石山12:53-55〜シチクレ峠13:13〜小入谷峠13:55〜小入谷BS14:02-05=桑原橋14:26-32=やまとの湯16:11-49=桂17:05
【同行者】なし
【歩行データ】歩行22.1q 輪行 5.5q 8:44 延登高 2,001m 延下降 1,956m 3座登頂
下山口となる小入谷のバス停に自転車をデポし、登山口の桑原橋(標高約400m)に戻り、橋のすぐ南側の空き地に車を止めた。桑原橋を渡り下壺林道を歩く。入口にはゲートがあり暫くは針畑川の右岸を行く。下壺の谷が分岐する所に登山口はある。稜線通しの登山道には真っ白なギンリョウソウがあちこちに群落をなしている。殆ど展望はなくひたすら登りつづけ標高900m位に達すると北方の展望が得られる所があり、百里ヶ岳を遠く望むことができる。
三国岳山頂が近づき登山道は北側にトラバース、尾根通しの踏み跡を辿ってピークに至ると"三国岳"の私製の山頂標識が掲げられている。しかしこれは明らかに間違いで山頂はまだ先だ。さらに先に進むと再び登山道に合流し経ヶ岳からの道と合流した。あとひと登りで三国岳(959m)山頂。山頂には2等三角点「久保一」が設置され、傍らには高島トレイルの真新しい標識。普通なら「みくにだけ」と読むがここは「さんごくだけ」トレイルの標識にはローマ字で併記されている。小さな表示だが三角点名の表示もあり丁寧なものだ。南方向が開け尾根の先に経ヶ岳、イチゴ谷山を望むことができる。

経ヶ岳方面の分岐点まで戻り、先ほどのピークには行かず左に折れて暫く行くと、桑谷橋と岩谷峠への分岐点に達した。岩谷峠(約775m)へのルートは4年前の平成16年12月にイチゴ谷山からの縦走で歩いたが特徴のない地形で以前の記憶はまったく蘇らないまま峠に達した。朽木の古屋集落への下り道が分岐して行く。トレイルの標識は地蔵峠を示しているが、登山地図にはルートの記載はない。極端に細くなった踏み跡を辿り京都府と滋賀県の境の分水嶺を行く。分水嶺の東側は針畑川で安曇川となり琵琶湖に注ぐ。そして西側は由良川で福知山まで西に進み舞鶴で日本海に注ぐ。
今日は準備がいい加減で、忘れてきた物が二つ、一つはタオル、もう一つはコンパス。タオルは汗を流しぱなしにするしかないが。コンパスの無いのは痛い。代わりは高度計に付属した機能で代用するが、その地点で立ち止まってしか使えない。この区間は、標識やテープも殆どなく樹林帯で遠景が見えない。主稜線を外さないように地図を読みながら歩くがやりにくい。そして最後の地蔵峠への下りで遂に道を間違えてしまった。緩やかに北に振って行かなければだめなのに分岐を見過ごしたようで踏み跡は殆ど無くなった。緩斜面を求めて左へ左へと振って行くと芦生の原生林から上がってきた峠から900m南の林道に下りてしまった。
林道を歩き大迂回の末地蔵峠に達した。地蔵峠から芦生原生林への入山が規制されて始めて来たが「入山禁止」の表示があり、誰もいなかった。枕谷に下る道は明瞭な踏み跡は失われずに残っているが、稜線ルートへは指導標すらない。斜面に適当に取り付つき登りだすと踏み跡が現れ、指導標も現れた。これは入山規制の地蔵峠に配慮して地蔵峠には指導標が建てられなかったのだろうか。
小さなコブを幾つか越えて山頂域に達すると生杉駐車場からの登山道と合流し長池の東側を回り込むように三国峠(776m)山頂に至る。長池はほんの水溜りでヌタ場のようだ。山頂には3等三角点「三国峠」が置かれ、白石山や百里ヶ岳を見通すことができる。この山域ではピークが分岐点なっているのか「峠」と名のつく「山」が幾つもある。ここ三国峠は5方向に道があり正に峠。他に「三国岳」という別名もある。京都府、滋賀県、福井県の県境で若丹国境にも比較的明瞭な縦走路がある。
お腹が減ってきたので早過ぎるが昼食にして休んでいると一人の男性が鈴の音を響かせて生杉から登って来た。この先シンコボを目指すそうだが、帰路には芦生の入山規制のエリアに入るつもりなのか?
長い休憩の後、江若国境尾根に踏み出す。クチクボ峠(別名:鍋窪峠)までは登山地図にも記載された明瞭な道で、先ほどの長池の対岸を進む。峠では若走路谷(わかんびだに)の下山路が分岐し生杉の林道に至る。クチクボ峠から先は、また登山地図にルートの記載はなく、ずっと北の百里ヶ岳までの8キロの間は山名の表示もない。2.5万図に標高点の数字だけが記されている。もしかすると山名があるのかもと思いながら進むが一つを除いて期待外れだった。
地蔵峠の南の尾根と較べると整備状態は良く、「高島トレイル」と書かれた黄色のテープが随所にあり、要所要所には指導標もありコンパスがなくても道を間違える恐れはない。そして稜線は結構細かくアップダウを繰り返し標高点に達すると決まって小さなプレートに「P677」のように標識が掲げられている。P677、P709、P803、P659と続くがいずれも展望はない。稜線にはイワカガミの葉が美しく光り、正に"岩鏡"だ。西から明瞭な小浜・名田庄市村界尾根が近づいてくると三市村界のピーク、標高は850mくらいある。高島市と小浜市、名田庄村の三市村界なのでここぐらいは名前が欲しいが残念。
東に下るとすぐに"おにゅう峠"、林道が越える新しい峠でひらがな書きなのでそれと分かる。「おにゅう」は漢字で「遠敷」と書く。名田庄村の郡名だ。車で来た一人の男性が、三脚を据えて長い望遠レンズのカメラを構えている。鷹の渡りを狙っているそうだ。
さて林道に出ると国境尾根への取り付きが分らない。切り通しの崩れから無理やり這い上がり踏み跡を行くと林道が寄って来て簡単に取り付ける地点があった。そこには指導標もある。おにゅう峠の指導標が不親切であったようだ。登り返すと展望の良いP871。下ったところは根来坂峠、ようやく登山地図にルートの書かれたエリアに達した。小入谷と上根来を結ぶ峠道は鯖街道。昔はひと塩にした鯖を担いで京の都へ運んでいた。大変な苦労だっただろう。今は楽しみで登っている・・・・・
そして小浜側から百里ヶ岳へ登るメインの道だ。峠の南東にあるピークには「白石山860m」と表示があり、思わぬところで名前のあるピークに巡り合えた。
東に進むと久しぶりに登山者と出会い、やがて5月の百里ヶ岳例会の際に使ったシチクレ峠からの道300mほどは、そのルートを歩く。南谷への下降点を左に見送り小入谷への尾根へと進む。一箇所だけ展望の利くところがあったが殆ど樹林帯でなんの変哲も無くコブを幾つも越えて行くと小入谷峠。県道783号線が越えており、登山口となっている。4台が駐車中で皆百里ヶ岳にピストンしているのだろう。更に谷間を下ると小入谷のバス停に到る。そこにはデポした自転車が待っていた。
小入谷の集落の外れには村の人が育てているのだろうカキツバタの群落があり紫の花を咲かせていた。県道を進み古屋の集落を過ぎた辺りで車を止めて写真を撮っている人がいる。見るとホウノキが大きな花をつけている。その木にはツルアジサイが絡まりこれも白い花をつけていた。5.5キロの輪行で駐車地点に戻り、京都市内の壬生・やまとの湯に立ち寄り汗を流して帰宅した。